例会の報告
Meeting report第1417回例会
2021年10月27日No.1392号
会長時間
会長 山田和弘
こんにちは!会長の山田です。本日はいよいよ、
緊急事態宣言解除後の、久々の夜間新入会員歓迎会が開催できまして、大変うれしく思っています。
さて今日は、維新塾の林英臣(ひでとみ)先生のホームページのコラムより、人間関係の間合いを、どう取れば良いのか?というお題からのお話です。
徒然草を読んでいると「それそれ!そういう事ってあるよね!」とか「そうそう!私もそれを言いたかった!」などと、しみじみ感じさせてくれる場面に出会います。読者にそう感じさせる理由は、やはり兼好法師が持つ鋭い人間観察眼にあるのでしょう。
その観察眼は、人間関係の間合いにも及びました。
私たちは人との関わり合いの中で暮らしているのですが、距離が近すぎたらうるさく思われ(思い)、
遠すぎたら冷たく感じられて(感じて)しまうのですから、程よい距離の取り方ほど難しいものはありません。
無遠慮に近寄れば嫌われ、そうかといって、遠いままでは仲良くなれないという中で、どこまで間合いを詰めたら良いのか。私たちは常に悩みながら暮らしているわけです。その間合いを考える上で、一つのヒントとなる話が、第三十七段に出ています。
親しい間柄の相手に、改まった態度を示せるという事と、まだ親しくない関係の相手に、打ち解けた話題を出せるという事の、双方に、その人の魅力が現れ出るという話です。人間通ならではの、兼好法師の文章を見ていきましょう。
《徒然草 第三十七段》
『朝晩、心の隔てもなく慣れ親しんだ人が、何かの折りに、こちらに気兼ねをし、改まった態度を取っているのを見ると、「今更そうまでしなくても」などと言う人もあるに違いないけれども、やはり実直で上品な人(よき人)なのだなと思われる。
(それとは反対に)親しくない人(うとき人)が、打ち解けた事などを言っているのは、これもまた良いものだと深く心引かれよう(思ひつきぬべし)』
以上、会長挨拶でした。
ゲスト卓話
米山奨学生の感想
米山奨学生 羅 書坤
皆さん、こんにちは。いつも大変お世話になっております。ロータリー米山奨学金奨学生・広島修道大学の学生羅 書坤でございます。
本日は、卓話の機会を頂き、とても光栄です。今日は「留学生活の感想」という題目で卓話をさせて頂きます。
今日、お話しする内容はご覧の通りです。私の出身国中国のこと・経歴・来日の動機を紹介した後、日本に来てから感じた日中両国の違い・留学生活感想などの話をさせていただきたいと思います。
私は中国・河南省の出身です。図に示しているように、河南省は中国の有名な河――黄河の南に位置しているので、河南省という名前を付けられました。河南省の上には河北省もあります。
ご覧のように、河南省は内陸部に位置しているので、日本に来る前、海を見たことも船に乗ったこともありませんでした。人生で初めて見た海はマリーナホップ(か宇品?)、初の船は宮島フェリーです。
河南省のことを聞く機会はあまりないと思いますが、実は名勝もたくさんあります。せっかくなので、世界遺産の洛陽龍門石窟(りゅうもんせっくつ)と少林寺を写真でご紹介させて頂きます。
いまご覧になっているのは世界文化遺産の龍門石窟(りゅうもんせっくつ)です。『三国志』の中にも出ている漢朝廷の都(みやこ)洛陽にあります。敦煌ほど有名ではないかもしれませんが、これも6つ(むつ)の王朝にまたがり、400年もの時をかけて造られたものです。南北およそ1キロの 石窟(せっくつ)群に、2,100余りの窟龕(くつがん)と、10万体もの仏像が彫られています。
その中で一番有名なのは、高さ17メートル盧舎那大仏(るしゃなだいぶつ)です。この盧舎那大仏(るしゃなだいぶつ)は、中国史上唯一の女帝、唐の時代の則天武后(そくてんぶこう)によって、西暦675年に完成したものです。大仏の顔は、則天武后(そくてんぶこう)の容貌を写し取ったものと言う伝説があります。
また、この大仏は日本ともご縁があり、奈良・東大寺の大仏の手本となったとも言われています。
もう1つは少林寺です。少林寺拳法や映画『少林寺』で有名です。禅宗の開祖(かいそ)である達磨(だるま)大師がインドから中国に渡り、嵩山(すうざん)で壁に向かって9年間座禅を続け(面壁)悟りました。その後少林寺を作られた言われています。
河南省にはほかの名勝もたくさんあるので、機会があれば、ぜひ、行ってみてください。
私は高校までずっと河南省で過ごしました。
高校卒業後、画面右にあるチベット大学に入学し、4年間の大学生活を送りました。左は有名なダライラマが住んでいたポタラ宮です。
そして、大学3年生の時、1人の農業経済学を教える先生と出会いました。先生は8年間日本の広島に留学していました。そして自分の指導教官のことも私に紹介してくださいました。これをきっかけに日本に来ることができました。
次に、家族の話しをします。私の家族は5人家族です。両親と2人の姉(あね)と私。当時の中国はまだ厳しい“一人っ子政策” がありましたが、両親は伝統的な思想が強く、どうしても男の子が欲しかったそうです。そして、危険を冒して罰金を払って、3人目の子ども(私)を生みました。今、姉はそれぞれ結婚して、実家の近くに住んでいます。
河南省は農業が盛んなところです。実家も小麦・ピーナッツ・とうもろこし(以前、大豆やさつまいもなども作りました)等を作っています。
左はピーナッツ畑です。右の写真は家の屋上(おくじょ)からみる冬の小麦畑です。遠くに見えるのはお父さんです。中国の農村地区は、今も水洗式便所(すいせんしきべんじょ)ではなく、日本で言う「ぼっとん便所」と呼ばれた汲み取り式便所が多く、大小便(し尿)を収集し、農作物を栽培する際の肥料として使います。遠くに映されているのは桶で糞を担いで(かついで)農地に行く父(ちち)の姿です。
次に、中国農村の暮らしの変化です。これは自分の来日の動機と今の研究内容にも深く関係するので少し詳しく紹介します。
農村には様々な変化がありますが、自分にとって一番身近に感じたものをいくつの例をあげます。
昔、みんなは村の中に住んでいて、農業を中心に生産・社会活動をしていました。そして、この村というコミュニティを維持するために、例えば、用水路を掘って(図:河に囲まれている村)、その水を灌漑(かんがい)や洗濯のために使います。また、河川の協同管理もしていました。私が子供の頃も、友達と一緒に川に泳ぎをしたり、魚を取ったり、楽しかったです。
また、生活についても、農産物の収穫量が少ないけれども、みんなはたくさんの種類を作って、自分の農地で取ったものによって、生活していました。買い物もお金ではなく、食糧を使って物々交換が多かったです。
しかし、90年代後半から突然変わり始めました。市場経済は都市から農村に浸透してきて、なんでもお金が必要になり、物価も上がり続けました。一方、農産物の価格は一向に上がりません。
例えば、上の写真はとうもろこしの収穫過程です。収穫には、農地でとうもろこしの茎(くき)を倒し、はずします。後、家まで運んで、剥いて、日光に晒して、脱穀(だっこく)・分別して、また日光に晒して、最後に出荷できます。収穫だけでもこんなに手間がかかるのに、できたとうもろこしをいくらに売れられると思いますか?2020年:1.8元=31円⇒2021年:2.9元=50円です。とても低い価格ですね。中国はアメリカみたいに広い個人の農場がないので、この価格ではとても採算が取れません。旱魃や水害によって不作になると、さらに苦しいです。
それで、90年代から農業だけではとても生活に賄うことができない人々は、仕方なく、お金目当てに出稼ぎに行くようになりました。そして、年間の大半は都市で、農業外の収入で生計を立てるになると、当然、農業及び、農業にとって重要な潅漑施設への重視、用水路の維持の積極性が低くなります。それどころか、それらを取壊して、レンガや石を建築に使うこともあります。昔の用水路にごみを投棄したり、埋めたり、農村の環境に無関心となります。川もこのようになりました。さらに、みんな頭の中には、お金のことばかり考えます。金儲けできる人は偉い、できない人は何をしてもバガだ、と人に対する評価基準も変わりつつある。
今、政府は農村にごみ収集施設を作って、少し助かっていますが、農村の経済・思想面が変わらなければ、根本的な改善ができないと思います。
もっとも、今は経済成長しているので、お金だけを目当てにして、昔のものをどんどん捨ていても問題なしのように見えますが、経済成長はいつまでも続かないと思います。将来、中国の農業・農村及びそこに暮らす人々はどうなるのでしょうか?なぜ農産物の価格は一向上がらないのか?と思いつつ、日本に来ました。
日本に来て、1年間日本語学校で日本語を学んで、大学院に入って、商学を勉強し始めましたが、頭の中から農業のことがなかなか離れません。
特に日本に来て、日本の農村のきれいな川、川に泳いでいる生物をみて、その自然を大切にすることに感動しました。
それだけでなく、農村生活においても、伝統行事・農産物・建築・芸能などの分化面のものも大事に保存することにもとても感心しました。
日本でも高度経済成長の時、離農や農村の乱開発・環境問題があったと聞いていますが、これらの問題をどう克服したかにとても興味があります。
そして、研究方向も商学・マーケティングから農業に傾いて、農産物の流通・価格形成の解明に取り組み始めました。
中国において、工業の発展・都市工場労働者の低賃金を維持するために、低農産物価格を抑え・農民を犠牲にする論理もあります。しかし、この犠牲はいつまでも続けられるとは思いません。
また、農民も自らが積極的に販路を探し、市場に対応する必要があります。その際に、市場にある各流通機構の役割・性格を明らかにしなければなりません。この辺、日本はかなり進んでいるので、現在、私は協同組合(農協)・卸売市場・商人の役割を勉強し、調査を重ねて、論文にまとめています。将来、日本で学んだことを少しでも中国にも紹介できればいいと思います。
最後に、留学生活の感想です。
日本にきて最初の頃、日本語にとても苦労しました。文法や単語はもちろん難しいですが、習慣的な使い方(かた)も最初は理解できませんでした。例えば、ある時、テレビにおばちゃんが魚をさばきながら、“この○○魚、足が速いので……”と聞いた時、「足?魚?どういうこと?魚には足があるの?」とびっくりしました。結局、あの魚は腐りかたが早いことを言っています。それから、人間関係を指す時“水臭い”というのも表現なかなか理解できません。このような、中国語にない表現(ひょうげん)で、日本語の難しさを感じると同時に、面白さも感じています。
日本と中国の考えの違いにもびっくりしました。例えば、日本でバスに乗って、降りたい時にボタンを押す必要があります。乗り降りの人がいなくて、自分もボタンを押さなければ、バスはそのまま通り過ぎてしまいます。日本に来て最初の頃、こういうことを全然知りませんでした。たまに、バスは降りたいバス停に止まらない時、“え?なぜとまらないの?” ととても困惑しながら、乗り越ししてしまいます。中国では、バスは乗り降りする人がいるかどうかにかかわらず、各バス停で必ず止ますので、ボタンがもちろんありません。それに、中国でバスが止まらなければ、大きな声を出して“止まってください”と普通に叫びます。けれど、日本のバスに乗る時、こういう“止まってください”という大声どころか、“ここで止まらないですか” と聞く勇気すらありません。また、JRに乗る際に手荷物検査がないこともそうです。中国では地下鉄やJRに乗る際に、手荷物検査が普通で、みんな当たり前のように抵抗なく、受け入れます。逆に、手荷物検査がなければ、少し慣れません。しかし、日本人の感覚で、地下鉄・JRに乗る際にいちいち手荷物検査等はあり得ないと思います。
これらのことは本当に小さいことですが、これを通じて、“なるほど、異なる環境で育った人の考えはこんなに違うのか” “自分の当たり前は他人当たり前ではないのだ”と実感できました。人と人の間・国と国の間の相互理解は実に難しいです。
中国にいる時の私は、よく自分の当たり前、或いは良いと思っていることを他人に押しつけ。他人にはこれを受け入れなければ、すぐに反感を抱いて、腹を立てていました。日本に来て、自分の目でこの多様な人間・文化を見ること・体験することができ、自分は愚か(おろか)だなと意識できました。
こういう意味において、やっぱり、交流は大事だと思いました。交流がなければ人と人の間の相互理解が進みません。ロータリークラブで皆さんと交流することは自分の学校生活とも違って、貴重な交流体験の機会だと思います。これからも、ロータリークラブを通じて、皆さんとの交流を深めたいと思います。また、将来、仕事に就いても日本と中国の交流を推進し、日中の相互理解に貢献できれば嬉しいです。
参考資料
ご清聴ありがとうございました!
30年連続100%出席表彰
ニコニコBOX
SMILE BOX
- 広島安佐RC中村富子様
- 本日は米山奨学生羅くんを卓話にお招きいただきありよろしくお願い致します。よろしくお願い致します。
- 山田和弘会員 森中祥二会員 伊藤弘幸会員 星月光生会員 平岡栄作会員
- 本日はラショクン君、カウンセラーの広島安佐RC中村様ようこそおいで下さいました。卓話を宜しくお願い致します。
- 堀江正憲会員
- 広島陵北ロータリークラブ30年連続出席の表彰をいただきました。これからも社会奉仕に陰ながら努力させていただきます。
- 小川嘉彦会員
- 先週10月20日の例会を、定期健康診断でみつかった不整脈治療の入院前検査のため欠席しました。21日に入院、22日にカテーテルアブレーション手術し23日の午前中には退院して家に帰ることができました。本日の新会員歓迎会は、退院して間もなく、完全には復調しておりませんので、本来であれば、前田啓太郎君の推薦者であり、担当であるクラブ運営の親睦家族部門の委員として、皆さんにお願いする立場ではありますが、欠席させていただきます。
- 横須佳織会員
- 先週は欠席をしてご迷惑をお掛け致しました。
- 石川貴与和会員
- 本日、会議の為、早退します。
- 当日計
- 15,000円
- 累計
- 386,000円
11月10日のプログラム
瓜生智則会員
11月20日のプログラム
広島市小学生体育連盟陸上教室支援活動 ※11/17の例会変更
出席報告
(例会運営委員会)
10月27日出席者
- 会員総数54名
- 出席会員26名
- 欠席会員28名
- ご来賓0名
- ご来客0名
- ゲスト2名
来客者紹介
(親睦家族委員会)
10月27日出席者
- 広島安佐RC 中村富子様(米山奨学生カウンセラー)
- 米山奨学生 羅 書坤様
幹事報告(伊藤 弘幸)
・12月1日の年次総会のご案内を配布しております。 ご出席下さいますようお願い致します。
・本日18時30分よりリーガロイヤルホテル広島4階にて前田会員・國政会員の歓迎会を開催いたしますので、お知らせいたします。