例会の報告
Meeting report第1296回例会
2018年4月11日 No1266号
会長時間
会長 古谷 幸一
皆様、こんにちは。お客様にはようこそお越し頂き感謝申し上げます。1週間のご無沙汰です。桜の季節が早々に終わりになったと思えば急に冬の寒さに逆戻りしてしまいました。「三寒四温」とか「春に三日の晴れなし」と申しますが、季節感を味わう様な余裕も無いままに日々過ごしています。皆様は如何でしょうか?
今年度残り少しになって参りました。次年度予定者の皆様による計画も着々と進んでいます。今月末の新旧引継ぎ等から進んで行きますが、皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。次年度は今年度以上にガバナー訪問が早くなり7月18日です。訪問が早くなる分、準備も大変かと思いますが重ねてご協力をよろしくお願い致します。
また、先週末はゴルフ同好会「楽打会コンペ」が、小雪舞う西条コースにて開催されました。優勝されました 船場会員他の入賞者の皆様、ニコニコへご案内致します。因みに、私は参加賞を頂きました。
今月のロータリークラブの目標は「母子の健康月間」です。先週お伝え出来ていない数字を少しお伝えさせて頂きたいと思います。それは、5歳未満で亡くなる子供の数は世界で600万人を超えている事。また、子供達の未来は生後1000日の栄養状態による事(2歳 )。十分な栄養が摂取出来ないと健康や脳の発達に影響が出る事。「母子の健康」に取り組む事は、2月の「水の問題」を含めた生活環境の改善が求められるところです。因みに現在の日本では乳児死亡率は0.12%、新生児では0.09%です。ほぼ0に近い状況です。
先週は、南條会員のご紹介によりみささ幼稚園の導寺理事長様から同幼稚園のユニークな教育方法「ヨコミネ式」のご紹介を頂きました。限られた時間内の為に余裕の無い卓話になり少し反省しています。
さて、本日は社会福祉法人 微妙福祉会 第二みみょう保育園 園長 松尾 竜 様
の卓話です。お聞きすると広島で一番古い幼稚園と伺って居ます。創立は大正期末とネット情報に掲載されてございました。皆様、ご静聴ください。
来賓卓話
「母子の健康月間に因んでー「子どもの貧困」を考えるー」
社会福祉法人微妙福祉会 第二みみょう保育園 園長
昨今、「子どもの貧困問題」がクローズアップされており、様々な角度で論じられております。貧困は多様な要因が折り重なって形成されますので、一面だけを切り取って対策を講じることはできませんが、私は社会福祉法人・保育園の運営に携わる者として、現場で考えていることをお話させていただきたいと思います。
前提として、我国の現況ですが、ユニセフのイノセンティ研究所が2012年に発表した「先進国における子どもの貧困」では、OECD35か国中、日本は9番目に子どもの貧困率が高い国となっており、また、「平成26年国民生活基礎調査の概況」によると、2012年の子どもの貧困率は16.3%で、6人に1人の子どもが貧困状態にあるとしています。とりわけ、「ひとり親世帯(母子世帯)」の貧困率は、経済状況の変動により若干の差異はありますが、1985年の調査以降、常に50%を超え深刻な課題を示しています。
冒頭に述べさせていただいたように、貧困は単一的な要因でないのと同時に、世代を超えて連鎖していきます。このことはJ.ハリーの「貧困の悪循環説」で周知のことですので説明は割愛させていただきますが、世帯年収と子どもの学力の相関性において注視すべきデータがあります。お茶の水女子大学による「平成25年度全国学力・学習状況調査の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究」において、世帯年収の増加に比例して国語、算数の正解率が上がる、すなわち、世帯年収と学力には相関関係があるというのです。このことは学歴にも通じており、内閣府の調査では生活保護世帯やひとり親家庭の子どもの大学進学率に大きな差があることを示しております。やはり、貧困は貧困を生じさせているのです。
このように「貧困の連鎖」を示すデータがある反面、関心を想起させるデータもあります。子どもの貧困の縦断研究を行った「ペリー・プリスクール調査」です。アメリカ・ミシガン州の幼稚園において、低所得状態にあり、学業達成に高いリスクを抱える3・4歳の子ども123人を対象に、質の高い教育プログラムを受けたグループと受けないグループに振り分けて、50年後どうなっているかを長期追跡調査したものです。質の高い教育プログラムを受けたグループは、高校卒業後、収入、持ち家率が高く、離婚率、犯罪率、生活保護受給率は低いという結果となっております。つまり、幼児教育プログラムの効果は、学力や進学率といった教育面だけに留まらず、大人になってからの所得や就業状態など「貧困の連鎖」を防止する可能性を示すものです。幼児教育・保育の現場にいる者として大いに発揚するデータですが、同時に、家庭・学校・社会の各教育力が低下している現在の我国の現況において、果たしてそこまで効果が期待できるのか若干の疑義も感じております。
繰返しになりますが、貧困は社会構造の中で複合的な要因で構成される社会問題です。従って、単一的な対策や個人的な取り組みで解決されるものでなく、行政を中心とした社会全体で総合的に解決していかなければならないと考えています。そうした中、平成28年4月に社会福祉法が一部改正されました。社会福祉法人制度のあり方について、法人経営のガバナンスの強化・経営の透明性の確保に加え、公益性・非営利性の確保及び地域社会への貢献を改めて求める内容です。本来的に社会福祉法人の事業は国が行うべき事業を代わって行うものであり、公共・公益性、非営利性は担保されています。また、地域社会への貢献についても法人の性格や歴史・地域状況によって差はあっても、施設開放や地域行事への参加など各法人が種々取組んできた経緯があります。私は、この度改めて国が公益性・地域社会への貢献を求めてきた背景には、複雑・多様化する福祉ニーズに社会福祉法人が培ったノウハウを活かして取組んでほしいとの要望があると理解しています。
国もその趣旨で地域貢献事業のメニュー化は敢えてしておりません。それぞれの法人がその特性を生かして、地域に密着した事業に取組んでいくことが肝要と考えております。
このような考えのもと、自法人では「子どもの貧困」対策を中心とした地域貢献事業を検討しております。先ほど紹介した「ペリー・プリスクール調査」の例を見るまでもなく、子どもこそが「貧困の連鎖」の犠牲者であり、同時にその克服者となる可能性を持った「国の宝・光」だからです。日常の保育・教育の充実は当然のことですが、地域貢献事業として個々の特性を尊重しながら、「子ども食堂」や「生活困窮世帯の学習支援」などの場で「群れて育つ環境」を提供しながらその成長に寄与できればと考えております。日々の保育現場においても「子どもの貧困」、「貧困の連鎖」による弊害は子どもの生活面・行動面に様々に現れています。50年を待つことなく、我々の行動がその改善の一路となり、大きく拡がっていくことを願っております。
連続100%出席表彰
山田和弘会員が15年連続100%出席をされ、古谷会長から記念品を贈呈いたしました。おめでとうございます。
ニコニコBOX
SMILE BOX
- 古谷幸一会員 瀬川長良会員 井上進会員 村上知史会員 若林孝光会員
- 社会福祉法人微妙福祉会 第二みみょう保育園 園長 松尾竜様 本日の卓話よろしくお願いします。
- 龍山永明会員
- 松尾先生 卓話ありがとうございます。
- 安土義和会員
- みみょう幼稚園を63年前に卒園しました。松尾先生 今日はよろしくお願い致します。
- 古谷幸一会員
- 4月8日第5回落打会コンペに参加致しました。参加賞を頂きましたので、出宝させて頂きます。
- 当日計
- 29,000円
- 累計
- 1,520,581円
4月18日のプログラム
鈴木大次郎会員
4月25日のプログラム
クラブフォーラム(新旧引継)
出席報告
(例会運営委員会)
4月11日出席者
- 会員総数53名
- 出席会員45名
- 欠席会員8名
- ご来賓1名
- ご来客4名
- ゲスト0名
来客者紹介
(親睦家族委員会)
4月11日出席者
- 広島南RC1名名
- 広島北RC3名名
幹事報告(井上 進)
・5月2日(水)「休会」のご案内を配布しております。
・職場訪問例会のご案内を配布しております。出欠は回覧にてお願いいたします。
日時:5月9日(水)12:30~
場所:学校法人星月学園 楽々園ルンビニ幼稚園
・2017-2018年度理事役員・委員長の方へ活動報告のお願いを配布しておりますので、4月20日(金)までにご提出ください。
・2018-2019年度地区研修協議会のご案内を出席義務者の方へ配布しておりますので、ご回答下さいますようお願いいたします。
日時:5月13日(日)13:00~
場所:広島国際会議場・ホテルグランヴィア広島