例会の報告

広島西ロータリークラブ　会長　諏訪 昭浩様

ロータリーの本質は個人が行う「自己教育運動」です。それを見事に組み込んだロータリーの奉仕概念は、ロータリークラブの中で会員同士が平等な付き合いを実現するという「自己教育運動」の中で「人に優しくする心」（奉仕の心）を培い、それを、家庭で、職場で、社会で発揮する（奉仕の実践）というものです。この原点は、1908年にシカゴロータリークラブに入会したアーサー･フレデリック･シェルドンが唱えた現在の職業奉仕を基本とする個人奉仕の概念ですが、ロータリーの奉仕概念は、その後2度の大混乱を経て、さらに個人奉仕を基本としながらも団体奉仕も行ってよいことになった1923年の「決議23－34」で完成したと言っても過言ではありません。ただ、最近は、ロータリークラブの団体奉仕の面だけがクローズアップされ、ロータリーは単なる奉仕団体であるかのような誤解を持つ傾向があります。

ロータリーの本質や基本的奉仕概念に関して、クラブの中で伝承されにくくなったのはなぜでしょうか。1920年に誕生した日本初のロータリークラブである東京ロータリークラブは、超一流の経営者が担うしかなかったため、ロータリアンは偉い人の集まり、という現在に続く大きな誤解を生むことになった反面、彼らは非常にロータリーを勉強し後世に伝える礎を作りました。近年これが崩れているのは、どの組織にもある経年劣化だと言えます。しかし、この劣化を何とかしなければ、ロータリーは単なる社会奉仕団体となりロータリーの魅力は半減してしまいます。

ロータリーの本質や奉仕概念をしっかり意識に刻んでいただき、皆さんが10年先に、ロータリーに取り組んで本当に良かったと思えるように、また、未来の会員のために正しくロータリーを伝承して、貴クラブが益々良いクラブになっているように、お祈り申し上げます。

尚、卓話全文テキストをお渡ししていますので、ご希望の方は是非ご笑覧ください。