例会の報告

元広島県サッカー協会副会長　猫島栄治様

広島の女子サッカーは今から４４年前、広島大河ＦＣ、青崎女子ＦＣ、舟入体協女子ＳＣ、広大東雲FCの４チームのリーグ戦から始まりました。

子供たち（男の子）の母親がサッカーを応援しているだけではもの足らず私達もボールを蹴ってみようと、小学校のグランドの片隅でボールを蹴り始めたのが最初だったと聞いております。「サッカーは男性だけのスポーツではないわ。私たちは美容と健康のために戦います！」を合言葉に、ママさん達を中心に擦り傷もいとわず土のグランドで、縦70m横50m、試合時間は15分ハーフ、ボールは少年用、9人制で行われました

当時は思うようにボールは蹴れない、飛ばないし、ヘティングはどうするの？胸のトラップは？皆ボールをめがけて集まり、押しくらまんじゅう状態でサッカーをやっていました。その後広島の女子サッカーは発展し、選抜チームのフローレンス広島がママさんの全国大会で3連覇を達成し、初めて女子サッカーが認められた第52回の国民大会女子サッカーの部で3位になりました。丁度この年は、男子日本代表がフランスワールドカップに初出場し、サッカー熱が大いに盛り上がっていました。

その頃私が県女子サッカー委員長を務めていて、小学生、中学生、高校生とトレセン活動を充実し、ユース年代の強化に取り組んで来ましたが、県内には女子サッカーのトップチームが無く、折角いい選手に育てても選手たちが流失していくばかりで悔しい思いをしておりました。岡山には湯郷ベルが在り、宮間や福元の日本代表選手を輩出しておりました。サンフレッチ広島に何度も女子チームを作ってほしいと依頼しましたが、経営難を理由に、いつも断られてばかりでした。丁度そのころサンフレの本拠地ビッグアーチと横川駅を繋ぐシャトルバスの運行が始まり、商店街組合からサッカーを町の発展の起爆剤にしたいとの話が持ち上がったのを聞きつけ、村上理事長に「監督やスタッフは私が連れて来るから広島に女子サッカーチームを作りませんか」と誘ったところ、話がトントン拍子に進み２０１２年１１月アンジュヴィオレ広島が発足しました。選考会を経て選手18名を選出、選手たちの就職先や下宿先の確保、練習会場の確保などで大変でしたが、横川の皆さんの協力で何とかスタートさせることが出来ました。２０１２年に県リーグ１部に参戦、全勝優勝し、翌年は中国リーグにて全勝優勝、２０１４年からはなでしこリーグ２部に参入し、２部や３部を行き来し、１０年間頑張ってきました。２０２１年「weリーグ」発足と共になでしこリーグ１部に参加。２部では西日本のチームだけのホーム＆ウエーの試合のみでしたが、１部に上がると全国での試合展開となり、遠征費等の費用が増加し、運営が大変となりました。皆で手分けをし、資金集めに駆け巡りましたが、サンフレレジーナが出来たり、コロナ禍による経済活動の低下により、資金集めもままならず、今年度で解散をすることとなりました。アンジュヴィオレ広島はｕ-12、u-15,u-18の育成チームを持ち、多くの女子サッカー仲間を輩出し、この１１年間広島の女子サッカーの発展に大きく寄与して来たことを誇りに思います。

最後にこのクラブを支えて来た横川商店街組合、横川青少協、ユースクラブの父兄の皆さん、また協賛を頂きました多くの会社の皆さん、縁の下の力持ちとして支えて頂いたボランティアのたくさんの皆様に厚く礼を申し上げたいと思います。