例会の報告

呉市役所海事歴史科学館学芸課 主任／学芸員　花岡　拓郎　様

歴史的な空間や建造物をどのように評価するか、どのように活用を考えるか、ということを専門にしています。そのようなことを私が学び始めた20年前と比べると、古いモノやコトを地域の資源（文化遺産）として考える眼差しも社会に定着し、私たちの身近な話題になってきたと感じています。

呉市内では例年、海軍時代の建造物を公開するイベントが様々な形で開かれており、今年（2019年）も多くの参加者が集まりました。大和ミュージアムへ来られるお客様の中にも、館内見学とともに、海軍ゆかりの地を訪ねられる方がおられます。

ミュージアムの学芸員とはいえ、館外にある現場そのものが研究対象のため、私も現地へ出向き、調査したり、イベントで解説したりすることがよくあります。現地でおさえておきたいポイントは、例えば100年以上を経た建造物や工作機械を目の前にして、どのような目的で（どのような性能が求められて）、大きさや構造、耐力荷重などが設計、デザインされたのか、また、なぜ今に至るのかという文脈です。

現代の生産ライン、プラント開発の手法をふまえると、淘汰されそうな古参の施設、機械が、なぜ現役なのか。その秘密を考えることで、過去から未来へ続く、呉らしいものづくりの様子も見えてくるのではないかと考えています。また、何かをつくろう、達成しようと挑んだ証しに近づけば、そこには技術者の物語があります。

大和ミュージアムの館内からは、呉港を見渡すことができます。新旧の建造物がともにあって、ものづくりに励む今の呉の風景こそ、私が一番見て頂きたい、解説したいモノであり、コトです。今日はそうした呉の風景と技術、そこにある人々の思い出を編む大和ミュージアムのお話しをさせて頂きたいと思います。

村竹　正樹会員が銀婚式を迎えられました。おめでとうございます。

12月9日に行われました広島シンガポール協会交流会に瀬川会長・吉田 幹事が出席をしました。先日、広島シンガポール協会　会長　坪井様に お渡ししました寄付金を日本語研修留学生の「ジョリン・タン」さんに 奨学金として贈呈いたしました。