例会の報告

国際ロータリー第2710地区グループ6ガバナー補佐岡本忠文様

今、パリではオリンピックで熱戦が繰り広げられている真っ最中です。

ところで7月14日は、皆様ご案内のようにフランスの革命記念日、通称「パリ祭」の日です。毎年シャンゼリゼ大通りで、フランス共和国大統領臨席の下、すべての部隊が参加する大規模な軍の分列行進が行われるほか、全国各地で打ち上げ花火やダンスパーティーが催されます。私も些か「フランス」に関わりがございますので、本日は少しフランスに関したお話をさせて頂きたいと思います。

1789年のこの日パリ市民がバスティーユ監獄を襲撃・占領し、これがフランス革命の始まりとなり、人権宣言が発布されました。この市民革命は1795年まで続きました。我が国では、松平定信の「寛政の改革」真最中の頃です。1880年から国の祝日となり「絶対王政」の終焉と「共和制」の始まりを象徴しています。(現在はシャルル・ド・ゴール大頭領が打ち立てた1958年の「第五共和制」）

トリコロールカラーのフランス国旗は1794年に今の国旗になり、自由と平等と博愛を表わしています。1791年憲法制定への第一段階として、1789年8月26日に憲法制定国民議会が制定した「フランス人権宣言」では人間の自由と平等・人民主権・言論の自由・三権分立・所有権は神聖かつ不可侵など17条からなるフランス革命の基本原則を記したものです。

一方で共和制樹立の傍ら、革命急進派によるルイ16世とマリーアントワーネットが有名なコンコルド広場で1793年に処刑されています。

この時期よりナポレオンが台頭し、帝政時代となり様々なフランスの歴史が作られてきました。さて、少し時代が移り、再び1830年の7月革命を経て、余りにも有名なドラクロワの「民衆を導く自由の女神」が描かれました。その中に描かれている少年がヴィクトル・ユゴーの「レ･ミゼラブル」の主人公ガヴローシュです。更に10年後の1840年にはベルリオーズが「葬送と勝利の大交響曲」（第一楽章葬送行進曲・第二楽章追悼の辞・第三楽章アポテノーズ･･･昇天）を作曲し自ら指揮をして記念式典が行われております。

さて、その後ナポレオン三世が皇帝につき、1855年のパリ万国博覧会の際、世界中から集まる訪問客に向けて、フランスのボルドーワインの展示に格付けが必要だと考えました。 ワイン仲買人は、シャトー（ブドウ農園）の評判や市場価格に従って、ワインをランク付けした。これが今のAOC基準として二つの例外（1856年にシャトー・カントメルルの追加・1973年に、シャトー・ムートン・ロートシルトが第2級から第1級に昇格）を除き変わることなく永遠に公式格付けとなっています。フランスワインの話は、ブルゴーニュも含め、別の機会にさせて頂きたく存じます。

本日の締めくくりとして、昨日79回目の「原爆忌」が当地で行われましたが、ＲＩ会長アーチック氏が「平和構築が私の最優先課題」だと、恒久平和への行動喚起を提議されている様に「フランス革命」の歴史観より、ロータリー精神を継承すべく歴史的名言を二つ紹介したいと思います。一つは「人を思いやる気持ちの無い知性は、すごく危険な武器なのよ」フランソワーズ・サガン、そして二つ目は「無知は平和の脅威です。相手を理解できれば、それだけ、おせっかいや批判、横柄な態度は減るものです。人も国も、自分のためにも世界のためにも、知識や理解を深めなければなりません」ポール・ハリス