例会の報告

広島県健康福祉局 子供未来応援部長　新宅 郁子　様

県では，成育環境の違いにかかわらず，すべての子供たちが夢を育むことのできる社会づくりを目指し，妊娠期・乳幼児期からの中長期的な人づくりに取り組んでいます。

その中で，重点的取組の一つが，「ひろしま版ネウボラ」の構築です。妊娠期から就学前までのすべての子供と子育て家庭を継続的に見守り，課題やリスクがあれば早期に適切な支援に結び付ける仕組みです。現在，県内６つのモデル市町で，日常生活圏域ごとに設置し，母子保健と子育て支援の専門職員をセット配置して，様々なサービスを提供しています。母子健康手帳交付時からの丁寧な定期面談などにより，事業実施前と比較して，自発的な来所や相談が１．６倍，リスクを抱える家庭の把握件数が１．５倍に増えて早期支援につながっている市町もあるなど，少しずつ効果が現れ始めています。引き続き，「ひろしま版ネウボラ」の理想型を追求し，全県に展開していきたいと思います。

他にも様々な取組を実施していますが，朝食を食べていない子供の増加という課題についても解決策を探っています。空腹の状態では遊びや勉強に集中できず，将来生きていく力をつけるどころではありません。そこで，昨年度から，県内２市町で，地域のボランティアの方々が，安全な小学校の敷地内で，企業から無償提供された食材による朝ごはんを提供してくださっており，この取組を支援しています。遅刻の減った子供も出ているようです。引き続き，子供の生活習慣の改善につながるのかなど，その効果を確認しながら進めていきます。

県では，子供たち一人ひとりが，自らの可能性を最大限高めることができるよう，市町などとも連携し，基盤となる制度や仕組みをつくったり，御紹介したような新たな挑戦もしていきます。しかし，行政ができることには限界があります。皆様，それぞれのお立場で，子供や子育て家庭に関わったり，支援活動を行っている方々を応援するなど，すべての子供が夢を育むことのできる地域づくりに御協力をお願いします。